治療家 杉山和雅

綴りごと

日本人の体質

突然ですがクイズです。

さて、 3つの中で日本人に合った健康法はどれでしょう?

 

①骨を強くするために牛乳や乳製品を食べる

②筋肉をつけて基礎代謝を上げるために運動する

③糖尿病のために炭水化物をひかえる(いわゆる低糖質ダイエット)

 

答え。

残念ながらこれらは全て欧米人向けの健康法で、日本人の体質には効果が期待できません。欧米の健康法が日本人にも同じように効くとは限りません。なぜなら日本人と欧米人とでは体質が全く違うからです。わかりやすく例を挙げますと、顔つき、髪や瞳の色、肌の質、筋肉のつき方や脂肪の質、体温、消化吸収力、アルコールの分解力、インスリンの量、生まれ育った環境そして腸内環境などが全く違います。

 

また、人の体質は、遺伝子によって決まり一生変わらない部分と、食生活や運動などの生活習慣やストレスなどの環境要因によって変わる部分が絡み合ってできています。

 

 

欧米人とはこんなに違った

日本人の「体質」

科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防 (著:奥田昌子)

 

 

この本には、日本人固有の体質についてゲノム解析、遺伝子配列、疫学研究などの膨大なデータをもとに日本人にとって本当に有効な健康法病気の予防法についてわかりやすく書かれていて、なんと定価たったの900円、しかもスラスラと読みやすいです。

 

体質とは何か(大辞林)・・・体の性質。遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成される、個々人の総合的な性質。例「アレルギー体質」。ここでいう環境因子とは、食事、運動、ストレス、睡眠、気候、喫煙、ウイルスや細菌、紫外線、など。とあります。また、遺伝子の異常は突然変異で起こることもあり、必ずしも親から受け継いだとは限りません。

 

高血圧や糖尿病や腎臓病そしてがんなどの生活習慣病は遺伝的素因と環境要因の両方の影響で発生します。たいていの病気には複数の遺伝子が関係していますが、遺伝子にはスイッチがあって生活習慣などの環境要因がそのスイッチを入れたり切ったりしておりこの仕組みは「エピジェネティクとかエピジェネティクス」と呼ばれ、病気の発症に大きな影響を及ぼしています。

 

 

例えばアトピー性皮膚炎は先進国に多く、フランス、オーストラリア、アメリカと同じくらい日本は、韓国や香港に比べ3倍程度多いようです。近年、病気のなりやすさについて科学的な研究が進み、その人の病気のなりやすさや体質を遺伝的素因と環境要因の関係から知ることが出来るようになりました。

 

病気になりやすい遺伝的素因を持っていても食生活や運動などの生活習慣の修正による「エピジェネティクス」現象でがんの70%が予防できるというデータもあるのです。

昔の日本人は、よく歩いていて和食を食べていたことで内臓脂肪があまりつきませんでした。しかし近年は食の欧米化で糖尿病や脳梗塞そして大腸がんと乳がんが増えています。伝統的な良い生活習慣を取り戻し、悪い環境要因を取り除くことで病気になりやすい体質は変わります。

 

 

自分の体質を知り、体の声を聞き正しい努力を続ければ、病気を遠ざけて、健康のうちに天寿を全うすることが出来ます。本書がそのための手引きとなれば幸いです。

と、締めくくられています。わかりやすくて読みやすい定価たったの900円。価格も健康的でまさに名著。

 

 

○お米    ×オートミール

○お味噌汁  ×コーンスープ

○お漬物   ×おピクルス

健康家 杉山和雅